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ミサイル防衛の問題点

世界的に進む米軍再編、そして終わりなき対テロ戦争。その中で日米の軍事的一体化のシンボルとして日米ミサイル防衛計画が粛々と進められている。そこに隠されたアメリカの真の目的とは・・・。

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検証編(6) 国会で議論は尽くされているか?

2006/02/13(月) 02:13:40

:ミサイル防衛の是非について国会ではちゃんと討論されているのでしょうか?
 
:コラ、ニャンタ君、そんな当たり前の質問するなよ~。ちゃんとした討論しているに決まっているだろ。国会を何だと思っているんだ。
 
:それでは過去の討論をちょっと見てみましょう。今回紹介するのは、民主党の前原氏と小泉首相の討論からの抜粋です。
 

・・・防衛大綱を見直さざるを得なかった真の理由は、ミサイル防衛システムの導入にあります。現に、現中期防を四年で打ちきり新たな五ヵ年計画策定を余儀なくされたのは膨大な費用を要するミサイル防衛を導入するに当って、陸海空それぞれの予算を削減すると財務省に約束させられたからにほかなりません。
 
確かに、我が国の周辺には、我が国を射程距離におさめる国が複数あります。民主党もミサイル防衛の必要性は認識をしていますが、要は、財政の制約と通常戦力のバランスをどのようにとるかの問題であります。北朝鮮だけでも、日本を射程におさめる弾道ミサイルは二百基以上あると言われており、新大綱の別表に書かれているイージス艦四隻、ペトリオット部隊三個高射群だけでは、到底あらゆるミサイルを撃ち落すことはできません。
 
政府は、国民に幻想を与えるべきではありません。ミサイル防衛には限界がある、すべてを撃ち落すことはできないとまずは認めるべきであります。その上で、何を少なくとも守ろうとしているのかを明確にすべきです。首都の中枢は当然のこととして、他の主要都市はどこを考えているのか、自衛隊や米軍の基地、重要港湾、空港、そして原発なども守る対象と考えているのか。あるいはまた、それらの施設は新大綱の体制でカバーできるのか、お答えをいただきたい。
 
同時に、新大綱でおおむね想定している十年という期間で、ミサイル防衛にどれぐらいの費用を投じようと考えているのか。次期防の中ではどの程度なのか。また、さらに次の十年でもミサイル防衛をさらに進めるべきだと考えておられるのでしょうか。アメリカは、近い将来、エアボーンレーザーを実用化させようとしていますが、日本も導入すべきかも含めてお答えください。

 
:ふむふむ、とりあえず前原さんの質問の内容はまぁまぁなんじゃないの?それで小泉さんは、どういう答弁をしたのかな?
 
:いや、あのエアボーンレーザーを日本も導入すべきかどうかって、そんなの現在の自衛隊の兵器体系では無理に決まっているじゃないですか・・・。前原さん、実戦でエアボーンレーザーがどう使用されるのか知らないのですかね?
 
:まぁ、そういうツッコミは置いておいて、はい、こちらが小泉首相の答弁の抜粋です。
 

・・・冷戦下のように大規模な武力侵攻の可能性は少なくなったものの、現在でも、テロや大量破壊兵器、弾道ミサイルの拡散といった新たな脅威への対応は、一国のみでは困難であります。
 
したがって、新防衛大綱は、必ずしもトランスフォーメーション、いわゆる軍の変革を進める米軍との協議のために想定したものではありませんが、新防衛大綱では、米国との戦略的な対話に主体的に取り組むこととするとともに、在日米軍の兵力構成見直しに関する協議に臨む基本方針として、米軍の抑止力を維持しつつ、在日米軍の軍施設・区域に係る負担軽減に配慮することを明示しております。
 
ミサイル防衛システムの限界と防衛目的についてでございますが、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散システムは、弾道ミサイルによる攻撃から我が国を守る、現在では唯一の手段であります。
 
我が国のミサイル防衛システムは、ほぼ我が国全域をカバーするイージス型護衛艦が装備するミサイルと、これによる破壊をくぐり抜けた弾道ミサイルに対して目的地付近上空での破壊を目的としたパトリオットミサイルによるシステムの二段階の防衛から成っております。どのような兵器システムでも百発百中を保証すること難しいと思っております。
 
いずれにせよ、広く国民の安全を守るためのものであります。政府としては、現実的に想定される各種のケースに実効的に対応できるよう、ミサイル防衛システムの整備及び必要な法整備等を着実に推進してまいります。
 
今後、弾道ミサイル防衛システムの整備に要する費用についてでございますが、政府としては、国民の安全を確保するため、弾道ミサイル防衛システムの整備を着実に進めてまいる考えであります。このシステムの整備に要する費用については、現時点で、おおむね十年間に八千億円から一兆円程度、うち次期防期間中に六千億円程度と見込んでおりますが、最終的には各年度の予算を通じて確定されるべきものと考えております。
 
弾道ミサイル防衛の将来的な進め方と、米国で研究中の新たなシステムについてでございますが、一般論として申し上げれば、将来の弾道ミサイル防衛システムについては、その時点における国際情勢や防衛力のあり方全般を考慮しつつ、弾道ミサイルをめぐる技術の進歩に対応していくことが必要と考えますが、現時点で、現在進めている計画終了後のことについて、具体的に検討されているわけではございません。


:この、小泉首相の発言を要約すると『ミサイル防衛システムは、弾道ミサイルによる攻撃から我が国を守る、現在では唯一の手段であります。』っていう理屈ですね。でも問題は費用や確実性などの理論はしっかりしているのか、ということですよね。
 
:小泉さんの答弁はちょっとひどいね~。ちゃんと本当のことを答えていないんじゃないの?それでこの後、前原さんはどんな追及をしたのかな?
 
:いや、あの・・・これで終わりみたいですよ。
 
:へ?何で~?ありえないよ。全然ちゃんとした討論なんかじゃないじゃん。
 
:これじゃ、「私たちは国会でミサイル防衛について討論したよ。」っていうアリバイ作りだけですね。本当の中身の議論が全然ありませんよ。
 
:確かにそうですね。ポーズだけですよね。民主党も政権を取るためにはアメリカのご機嫌を取らなければいけないのでミサイル防衛にはやっぱり反対できないみたいですね。
 
 
 :アメリカが怖くて日本政府、官僚、自民党そして野党の民主党までもがミサイル防衛に反対できくても日本国民が反対すれば、アメリカも日本に強制することはできないはずです。
ということで、ミサイル防衛に反対の意思のある方、もしくはたちを応援して下さる方、あるいはもっと色々知りたい方、
クリックお願いします

 
 
《参考資料》
資料1:前原誠司君登壇(2005年3月15日)
資料2:Airborne Laser (ABL)
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コメント

コウタさん、コメントどうもありがとうございます。インドにも反日感情があるんですね。これからもよろしくお願いいたします。

門倉貴史
URL|門倉貴史 #-|2006/02/14(火) 00:31 [ 編集 ]
門倉貴史さんへ
こんにちはv-302
v-285もあの記事を読むまで旧日本軍がインドを空爆していた事実すら知りませんでした。
インドにまで反日感情があるなんて、びっくりですよね。
あの記事を読んでv-285は、親米感情を作るために反日感情が利用されているのかもしれない、とちょっとだけ疑いたくなりました。
ということで他の読者の方々のために再度、記事を紹介しておきます。

http://www.sepiamutiny.com/sepia/archives/002639.html
URL|コウタ #T5cQRYBo|2006/02/14(火) 08:38 [ 編集 ]

こんばんは。
 国会でのやりとりを改めて文章で読む機会ってまずないのでとても参考になります。
>到底あらゆるミサイルを撃ち落すことはできません。
>すべてを撃ち落すことはできないとまずは認めるべきであります。
>大規模な武力侵攻の可能性は少なくなったものの、
>どのような兵器システムでも百発百中を保証すること難しいと思っております。
 これだけの認識をもっているなら、なぜ他の方法を考えないのでしょうか。ミサイル防衛でなくてはならない理由を明確に示して欲しいですよね。必然性が見えません。
URL|.com #B0G5lIKM|2006/02/15(水) 03:39 [ 編集 ]
.comさんへ
どうも、こんにちはv-281
コメント、ありがとうございました。
国会でのやりとりは今回調べてみてv-285も初めて具体的内容を知りました。
おっしゃる通り、なぜ莫大な税金を投じてミサイル防衛システムを研究開発して配備しなければいけないか、必然性が見えませんよね。
ただ他の方法・・・つまり日本の核武装は、アメリカも含めて周辺国が容認しないはずですし、国内世論的にも受け入れられないと思います。
結局のところ、日本は東アジア全体の軍縮を目指さなければいけないとv-285は思っています。
防衛庁を省に格上げしたり、9条改憲を目指したり、子供たちの愛国心を育てようとしたり、などなど日本政府は日本を国家としてより強くしたいようですが、そういう強引なやり方では逆に国内世論が割れるだけでなく、外交的にも様々な問題を引き起こすため、今の政府側の方針は生産的な解決策だとv-285は思っていません。
URL|コウタ #T5cQRYBo|2006/02/15(水) 07:33 [ 編集 ]
ミサイル防衛の政治性
お邪魔します。
先日は、ブログにコメントをいただき、有り難うございます。

私自身は、狭義のミサイル防衛、地上や海上の迎撃体によるものは賛成できませんが、警戒システムを持つ必要はあると思います。
将来、日本が軍事的に米国から独立する場合においても、ミサイル防衛において必要とされる索敵、確認、対応を行う機構そのものは必要です。
独立せずに、米国からの指示を仰ぐだけなら、米国の指示が無茶でも従わねばなりません。豪州は、本土が日本軍に脅かされていた時、英軍の一部としてドイツと戦わされていました。
国富を奪い、人々を欺く「鷲」は油断なりませんが、目を閉じていては何もできません。

ただ、日本では、政治利権に占める軍事の比率が米国に比べて低いのではないかと思います。
その多くは、私が思うに、いわゆる「建設利権」でした。
これが攻撃されていることで、多くの人は喝采を送るでしょう。
しかし、それは政治利権そのものを無くすために有効な方法ではないかもしれないのです。
その余りを、海軍利権に、横須賀の利権にしようと、小泉事務所は考えているのではないかと思います。

URLイア #-|2006/02/16(木) 15:46 [ 編集 ]
イアさんへ
どうも、こんにちはv-223
 
>私自身は、狭義のミサイル防衛、地上や海上の迎撃体によるものは賛成できませんが、警戒システムを持つ必要はあると思います。
現在進めれているミサイル防衛システムの日米共同開発に対して賛成できない、しかし、ミサイル攻撃に対してレーダー網の整備や強化は必要というふうにイアさんは考えていると理解しました。なかなか微妙なラインでの線引きですね。その場合、抑止するための報復能力を日本も強化するということでしょうか?
 
>独立せずに、米国からの指示を仰ぐだけなら、米国の指示が無茶でも従わねばなりません。
現在の日本のミサイル防衛システムは、アメリカの軍事衛星を頼りにしており、一部の自衛隊の指揮権を米軍が握る方向で話が進んでいます。日本も独自の軍事衛星を保有することで過度の米軍依存を脱したかったようですが、実際にはミサイル防衛システムのせいでますます米軍依存が強まってしまっています。政治的な駆け引きでは、アメリカの方が一枚も二枚も上手のようですね。
URLコウタ #T5cQRYBo|2006/02/17(金) 03:01 [ 編集 ]

>ミサイル防衛システムは、弾道ミサイルによる攻撃から我が国を守る、現在では唯一の手段であります


これに対して真っ向から反論したようには見られないのですが。
>小泉さんの答弁はちょっとひどいね~。ちゃんと本当のことを答えていないんじゃないの?

これだけですか?
URL|もすけ #mQop/nM.|2006/02/21(火) 21:20 [ 編集 ]
もすけさんへ
もすけさんはアラシなんですか?v-390
もちろん違いますよね?v-392
小泉首相の答弁では説明不足のため、v-285は真っ向から反論しませんでした。
もすけさんがミサイル防衛の推進に賛成なら、なぜ自分は賛成なのか、費用対効果などの説明を加えてもすけさんの意見をもっと述べてください。
反論したいと思いますので、よろしくお願いします。v-411
 
追伸:当ブログではミサイル防衛に賛成の方でも書き込みは自由にできるように運営されています。それと同時にコメント欄の雰囲気が良くなるようにも努力しています。ご理解とご協力をお願いします。
URLコウタ #T5cQRYBo|2006/02/22(水) 04:32 [ 編集 ]
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