ミサイル防衛の問題点

世界的に進む米軍再編、そして終わりなき対テロ戦争。その中で日米の軍事的一体化のシンボルとして日米ミサイル防衛計画が粛々と進められている。そこに隠されたアメリカの真の目的とは・・・。

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宇宙から地球を支配する帝国

2006/05/09(火) 11:11:19

: 今日はですね、ミサイル防衛やアメリカの軍産複合体の問題について非常に詳しい立命館大学の藤岡惇先生にがインタビューさせてもらうスペシャルエントリーです。
藤岡さん、大変お忙しい中、当ブログにお越し頂きまして誠にありがとうございました。まず藤岡さんの簡単な自己紹介をお願いできますでしょうか?



藤岡さん: こんにちは。はじめまして。
わたしは、大学では「アメリカ経済論」と「平和の経済学」を教えています。
年は58歳なので、団塊の世代です。
30歳代は、米国の南部のプランテーション農業地帯の経済的激変と黒人の公民権運動展開とのかかわりを研究して、二冊本を書きました。
 ミシシッピ州のデルタ農業とかアラバマ州の黒土地帯などを調査して、ずいぶんインタビューしてきました。いちばん深く、調査に入ったのは、デルタのサンフラワー郡で、ジム・イーストランド上院議員のプランテーションのあったルールビル付近でした。公民権運動に参加しようとした黒人小作農たちを土地から追いたて、北部に流出させるエスニック・クレンジングのはしりのような弾圧をやったところでした。
 それが80年代後半からは草の根から、一転して宇宙と核の視点から米国をみていくという方法に転じたのです。
 現在は、とくに地球温暖化防止の京都議定書づくりの1997年ころを境にして、宇宙支配にもとづくグローバリゼーションを、もっと人間の顔をした「相思相愛型のグローバリゼーション」へと転換するか、平和なエコエコノミーの形成の方策を考える、という時代になりました。 わたしのゼミのテーマは「平和なエコエコノミーの創造ーー持続可能な共生経済をどう作るか」です。




: なるほどです。とても興味深い研究テーマですね。藤岡さんの最新の論文『米国の宇宙と核の覇権と軍産複合体 ーー「宇宙の軍事的占領」めざすブッシュ政権の深層ーー』では、アメリカの軍産複合体の分析、非常にわかりやすくまとめられていますね。軍部、軍需産業界、国防族の政治家、科学者・専門家という四つの構成要素がそれぞれ利益追求をした結果が現在のアメリカの軍拡推進社会基盤ということですね。特に科学技術者や専門家の役割が軍事技術の巨大な発展に繋がったという部分は、注目すべきポイントだと思います。この論文を読むとアメリカの軍事技術の研究開発投資の費用がどんどん伸びていることがわかりますね。例えば、ちょっと引用しますが、


米国のばあい軍事支出中の研究開発投資は、2004会計年度で580億㌦と、軍需調達額(680億ドル)にせまる規模になった。2006会計年度で見ると、国防予算は史上最高の4915億ドルに達したが、研究開発投資は700億ドルと軍需調達額の769億ドルに匹敵する規模となっている!


: このような軍産複合体の動向について日米の大手マスメディアはほとんど何も伝えていないと思うのですが、次期アメリカ大統領が民主党から選ばれれば、状況は変わりそうでしょうか?


藤岡先生: 民主党で最有力なのは、ヒラリー・クリントンなのですか?
いまは「むき出し資本主義」派と「修正資本主義」派が、争っているので、もし民主党の中道から左が勝てば、もっと総合的な人間安全保障というか、ジョセフ・ナイなどが強調してきた「ソフトパワー」重視の路線に戻るだろうと思います。



: なるほど、私たちも今後のアメリカの政界の動きや政治家の発言に注目する必要がありますね。「むき出し資本主義」派と「修正資本主義」派が争っているという分析も興味深いですね。ジョセフ・ナイさんは、アーミテージ報告をまとめた方として有名ですね。それからアメリカのイラク戦争の戦費が莫大な額になることを藤岡さんは以下のように指摘されておられますね。


イラク戦争に伴う財政コストは、ベトナム戦争当時を上回るスピードで増えつつある。03年3月から05年6月までに2044億ドルが支出され、それ以外に453億ドルが追加補正された。この費用を貧困対策に使うならば、貧しいエイズ患者へのエイズ薬を行きわたらせたり、世界の貧困率を半減させる役に立ったはずである。ベトナム戦争の戦費は、今日の時価に換算すると毎月51億ドルのレベルであったが、イラクの戦費は毎月56億ドルのペースとなっている。イラク戦争が泥沼化し、こんごも同レベルの支出が続くならば、10年後の戦費総額は7000億ドルを超えるといわれる。ベトナム戦争の戦費総額(時価換算で6000億ドル程度)を上回る勢いで、軍事費が増えているのだ。



: 泥沼と言われたベトナム戦争よりヒドイ状況だとは知りませんでした。やはりアメリカと『蜜月の関係』にしておくと日本もヤバイですよね?このままでは日本がアメリカの戦費を肩代わりさせられる可能性も十分あるかと思います。すでに米軍再編のために約3兆円という数字がアメリカ側から出てきていますし、日米同盟が日本もアメリカも得をする関係とはもはや言えない状況のような気がします。その辺のことは、日本の経済学者の間では学会や水面下の動きも含めて話題になってきているのでしょうか?つまり対米追従の日米同盟のコスト負担が経済的に合理的なのか、という理論的な分析がなされないと現状が一番良いということに自動的になってしまうと思います。


藤岡さん: これから、そのような調査研究をしっかりとやっていきたいですね。ただし、日本の経済学者は空疎な理論研究者が多すぎ、逆にジャーナリストのほうは、 表面的な情報提供が多すぎます。米国のレベルとくらべると、見劣りするのが残念です。ぜひ、皆さん方もご活躍ください。参入障壁は低いですので、チャンスですよ。


: なるほど、これは研究意欲が燃えてくる言葉ですね!確かにチャンスが転がっているように見えます。読者の皆さん、いかがでしょうか?
ところでですね、防衛庁が今年の2月に行った世論調査の『8 弾道ミサイル防衛システム整備への賛否』を見てください。


1.jpg


: 1657人のうち、56.6%の人がミサイル防衛に賛成しています。同じような傾向は、調査規模が全然違いますが、当ブログが行っているアンケート調査にも出ています。この結果について藤岡さんはどのような感想をお持ちでしょうか?


藤岡さん: ミサイル防衛の主眼が、北朝鮮のテポドン対策だと思い込まされているのが最大の理由だと思います。この点を論じた私の論考(「京都新聞」4月28日付け)をご参考までに紹介しましょう。


米国とともに宇宙軍拡の道を突き進んでいいのか

二〇〇三年三月米軍は、中東上空に多数の軍事衛星を移動させ、イラクへの先制攻撃を開始した。米軍の使用した爆弾の六割は宇宙衛星によって精密誘導されるなど、「宇宙戦争」の幕開けを告げる戦いとなった。他方この戦争は、「核兵器をもっていないと、米軍にやすやすと侵略されてしまう」というメッセージを世界に送った。イランの新政権が核濃縮活動を始めたのはそのためであろう。「イランが核武装した後では手を出せなくなるので、その前に米軍は核施設攻撃に踏み切るのではないか」という懸念が高まっている。

イランを電撃的に先制攻撃するばあい、「全米戦略軍司令部」が中心的役割を果たすことになろう。戦略軍とは、旧来の戦略軍(核兵器を担当)と宇宙軍とを〇二年秋に統合したものであって、①敵が地球上のどこに隠れていようが、宇宙の覇権を用いて電撃的に攻撃する、②核大国にたいしては戦略核兵器をもちいて抑止する体制を継続する、! ③ミサイル防衛網を構築し、ミサイルを用いた敵の反撃を封殺するというのが任務となる。

①の任務を担うために新設されたのが、「宇宙・地球規模攻撃部門」司令部だ。長崎への原爆投下六〇周年の〇五年八月九日に立ち上げ式典が行われた。「宇宙・地球規模攻撃」が計画どおり遂行できるかどうかをテストするために、昨年一一月に「地球規模の稲妻」演習が実施され、「初期段階の作戦能力」をもつという判定を受けた。イランの核施設を攻撃するばあい、この司令部が先鋒を担うことになる。他方、イラン軍が応射してくるミサイルを封殺するのが、③のミサイル防衛司令部の役割となろう。

米国の宇宙軍拡の最大の標的は中国であり、東アジア経済圏の分断にあるのは明白だ。ミサイル防衛に参加するということは、米軍の「地球規模攻撃」態勢に日本が組み込まれ、東アジアの分断統治という米国戦略のお先棒をかつぐことを意味する。この道を歩むと、「宇宙開発は平和目的に限定する」とした一九六九年の国会決議に抵触するのは避けられない。最近自民党が、防衛目的であれば宇宙の軍事利用を認めるという方針に転じたのは、そのためであろう。

一〇基程度のミサイルを打ち落とせる防衛システムを宇宙ベースで構築しようとすると、二二〇〇億ドルから一兆ドルかかり、日本の負担額は五兆円に膨らむ可能性があるといわれる。すでに米国製品の不買運動は、欧州・中東などで展開されているが、この動きが日本製品ボイコットに飛び火すると、日本経済は大打撃をこうむるであろう。

米国の友邦たるカナダが、昨年二月にミサイル防衛への参加を拒否したのは、このあたりの事情を考慮したからだ。

南極大陸への兵器配備を禁止した南極条約があるが、宇宙への兵器配備も同様に禁止されるべきであろう。この点を明確にする方向で「宇宙条約」を改正するか、国連総会で決議するべきだ。軍事力の所持を認めている国は、軍事力を「専守防衛」兵器に限定するとともに、これを国外や宇宙に配備しないと誓約することが求められる。軍事力の不保持を決めた国は、周辺諸国を「専守防衛」国家に導いていくための主導権をとるべきであろう。日本のばあい、朝鮮半島がテストケースとなろう。南北朝鮮と日本を「非核・非ミサイル地帯」にする条約ができれば、はるかに深い安心が得られ、経済的共栄の世界が拓かれるであろう。


: おぉ~、さすがです。非常にコンパクトにまとめながらそれでいて説得力と重みのある主張です。北朝鮮の弾道ミサイルや核開発問題がアメリカの宇宙兵器開発と地球支配に利用されていますが、既存の通常兵器で北朝鮮の軍事的脅威を封じ込めつつ南北朝鮮と日本を「非核・非ミサイル地帯」にする条約などで安全保障を図る方がはるかに良いとも思います。実はも独自にミサイル防衛の問題点を分析した結果、同じ結論に達したのでこのブログを作ったという経緯があります。
読者の皆さんにも藤岡さんの出版された本やインターネット内で読むことができる藤岡さんの論文を読んでさらにじっくり考えてもらえれば嬉しく思いますね。
藤岡さん、今回はインタビューという形でゲスト出演して頂きまして誠にありがとうございました。最後にですね、もしよろしければ藤岡さんにNoMDチームというブロガー同士のボランティア活動グループや当ブログの読者に期待する言葉を頂きたいのですが、お願いできますか?



藤岡さん: インターネットを介して、このようなコミュニティができあがりつつことに新鮮な驚きを感じています。わたしは、宇宙への兵器と核エネルギーの配備に反対する地球ネットワークに参加しており、この運動を日本とをつなぐ役割をしています。
ことしの6月24日から27日にかけて、カナダのバンクーバーで開かれる世界平和フォーラムにあわせて、地球ネットの年次総会やシンポがバンクーバーのブリティシュ・コロンビア大学で開かれます。この集まりに参加されませんか。このNoMDチームに参加されている方も、一年に一度くらい、どこかで集まってはいかがですか。
ハイテク・ハイタッチの人のつながりが、とっても大切だということを地球ネットの運動のなかで痛切に感じてきました。また世界社会フォーラムで、04年にインドのムンバイ、05年にブラジルのポルトアレグレにいったのですが、皆さん方とのつながりも大切に育んでいきたいと思います。



: どうもありがとうございました!確かに藤岡さんの言う通りですね。
今、私たちが国家という概念を越えて世界中の人々が共存できる輪を創ることができたら面白いですね。
世論調査の結果がミサイル防衛に賛成という意見が多数になってしまうような状況だからこそ、私たちが連携しながら協力関係を深めて「本当にそれで良いのか?」と世論に少しずつ影響を与えていきたいですね。
本日は有意義な対談ができたこと、感謝&感激です。今後もどうぞよろしくお願いします。



:皆さん、今日のスペシャルエントリーはいかがでしたか?読者の皆さんの中にもミサイル防衛に反対したい方がいると思いますが、それならば一緒にNoMDチームで活動してみませんか?参加希望者または興味のある方は当ブログのメール投稿システムでコウタさんにメールしてください。
藤岡さん、どうもお疲れ様でした。
本当にどうもありがとうございました!
最後にですね、いつものように今日もミサイル防衛計画に反対の意志を表明されたい方には、
クリックをお願いします




《参考資料》
藤岡惇さんの略歴
1947年京都市生まれ。京都大学卒業、経済学博士。立命館大学経済学部教授。国際平和ミュージアム・メディア資料セクター長を兼務。著書に「グローバリゼーションと戦争」、「サンベルト米国南部」、「アメリカ南部の変貌」、訳書に「アメリカ経済と軍拡」「SDI---スターウォーズの経済学」などがある。

米国の宇宙と核の覇権と軍産複合体

その他の藤岡惇さんの論文を紹介します。
市民社会フォーラム・評論

「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」の概要
8 弾道ミサイル防衛システム整備への賛否(図8)


あなたはミサイル防衛計画を推進することに賛成ですか?

「高貴なウソ」が仕掛けられた理由とは?
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コメント

今回の藤岡惇教授とのインタビュー記事はいろいろな情報が盛りだくさんで、とても勉強になりました。6月のBCでの会議は是非出席したいですね。
URL|美爾依 #-|2006/05/09(火) 13:35 [ 編集 ]
美爾依さんへ

こんにちはv-453
おぉ、ブリティッシュ・コロンビア大学の集まりに出席してもらえたら、是非、どんな体験や内容だったか教えて欲しいと思います。
NoMDチームの輪が大きくなりつつあるような感じがしてきて嬉しく思います。
コメント、どうもありがとうございましたv-411

URL|コウタ #T5cQRYBo|2006/05/10(水) 10:41 [ 編集 ]
衛星
藤岡さんの記事、大変興味深くよみました。
カーナビとか、「グーグル・アース」とか、『衛星』を使ったツールってありますよね。
それも、軍事行動と関係があるのかなあ。
そんな疑問をもちました。
URL|フタバ #IY7bLZJE|2006/05/11(木) 23:23 [ 編集 ]
フタバさんへ

こんにちはv-455
藤岡さんの『米国の宇宙と核の覇権と軍産複合体』の論文は、たいへん優れた力作だと思います。

>カーナビとか、「グーグル・アース」とか、『衛星』を使ったツールってありますよね。
それも、軍事行動と関係があるのかなあ。


はい、無関係ではありませんね。
v-285が現時点で知っている記事を紹介しておきます。
たぶん探せばもっとあると思うのですが、それはフタバさんにお任せしたいと思います。
何か発見したら教えて頂きたいので、よろしくお願いします。




インド大統領、『グーグル・アース』の衛星画像に懸念表明
AP通信  2005年10月16日
インド、ハイデラバード発――インドのA・P・J・アブドゥル・カラーム大統領は15日(現地時間)、米グーグル社(本社カリフォルニア州マウンテンビュー)が提供している無料の地図プログラムはテロリストにターゲットの衛星写真を提供してしまう可能性があると指摘し、同サービスに懸念を表明した。

 今年6月に開始された(日本語版記事)新しい地図サービス『グーグル・アース』では、広い範囲にわたって衛星写真を見ることができる。すべてのエリアが詳細に表示されるわけではないが、画像によっては解像度が非常に高いし、複数の国の機密にかかわる場所を捉えた写真もある。

 インド南部のハイデラバードで開かれた警察幹部の会議の席で、カラーム大統領は、「すでにテロリストの攻撃にさらされている発展途上国が、(高解像度画像を提供する場所として)選ばれているケースが目立つ」ことが気になると述べた。

 韓国政府やタイ政府、オランダの議員たちも、同様の懸念を表明している。韓国の複数の新聞は、グーグル・アースが同国の大統領官邸「青瓦台」や軍事基地の画像を提供していると報じた。厳密に言えば、韓国は現在も北朝鮮と戦争状態にある。また北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)にある主要な核施設の画像も、このサービスで表示される。

 グーグル・アースには、ニューデリーにあるインドの国会議事堂や大統領官邸、周辺の政府機関の鮮明な航空写真が含まれている。またインドの防衛施設の鮮明な写真も提供されている。

 グーグル社の広報担当者は、このソフトウェアが使用している情報はすでに一般の情報源から入手可能だし、表示される画像はおよそ1~2年前のもので、リアルタイムで表示されているわけではないと主張した。

 「グーグル社は、グーグル・アースや『グーグル・マップス』に対する政府の懸念を非常に重く受け止めている。グーグル社は政府との対話を歓迎しており、インド当局のいかなる懸念についても喜んで話し合うつもりだ」と、同社の広報担当者は15日、電子メールのコメントで述べた。

 大統領になる前、インドのミサイル計画を指揮する科学者だったカラーム大統領は、こうしたサービスの普及を制限できる新しい法律の必要性を呼びかけた。領土の空間的監視に関する一部の国の既存の法律や国連の勧告は不十分だと、カラーム大統領は述べた。
[日本語版:天野美保/福岡洋一]
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20051017201.html


上記の記事のリンク先には関連記事があります。
あとは、以下の記事とその参考資料もちょっと目を通しておいて欲しいと思います。


基礎知識編(4) Xバンドレーダーと情報の傘
http://kuma46.blog46.fc2.com/blog-entry-21.html
URL|コウタ #T5cQRYBo|2006/05/12(金) 10:58 [ 編集 ]
中国・衛星破壊実験の意味
東京新聞 特報 2007.01.28
中国・衛星破壊実験 宇宙戦争の幕開け?
ハイテク軍事、無力化に危機感
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20070128/mng_____tokuho__000.shtml

 中国が老朽化した自国の人工衛星の破壊実験を行ったことが、国際的に波紋を広げている。とりわけ米国を慌てさせた。米国は軍事面で衛星に依存する兵器体系を構築しており、衛星を攻撃されたら途端に脆弱(ぜいじゃく)さをさらけ出してしまうからだ。中国が衛星攻撃能力を獲得することは、それに対抗する米国との間で、果てしない宇宙戦争を引き起こす危険をも孕(はら)んでいる。 (浅井正智)

 米航空専門誌「エビエーション・ウイーク・アンド・スペース・テクノロジー」(電子版)によると、実験は今月十一日夕(米東部時間)に行われた。中国四川省の上空付近、高度八百五十キロの宇宙空間で、弾道ミサイルに搭載した弾頭で自国の気象衛星「風雲1号C」を破壊した。

 米政府は十八日、この情報を確認したが、中国政府は二十三日になって、ようやく外務省報道官が衛星破壊実験を公式に確認した。

 もっとも実験の様子について具体的な説明は一切なく、ただ「中国は一貫して宇宙の平和利用を主張しており、宇宙兵器の軍備競争には参加しない」と事態の沈静化に躍起だった。

■ごみ被害懸 米は実験中止

 衛星破壊は冷戦時代に米ソ両国がしのぎを削っていたが、破壊によってスペースデブリ(宇宙のごみ)と呼ばれるおびただしい数の残骸(ざんがい)が宇宙空間に放出され、自国の衛星にも被害が出る恐れが生じたことから、米国も一九八五年で実験を中止した。

 今世紀初めてとなるこの衛星破壊実験に、米国は最も敏感に反応した。

 「この実験が米国の衛星を想定して行われたのは明らかだ」と中国軍事研究者の平松茂雄氏は断言する。

 「中国が衛星攻撃兵器(ASAT)を持ったら、イラク戦争で威力を発揮した精密誘導ミサイルや日本と共同開発を進めるミサイル防衛(MD)など衛星に依存した米国のハイテク軍事システムが無力化されてしまう。米国としては強い危機感を持たざるを得ない」

■「米経済にも破滅的影響」

 米議会の超党派議員らで構成する政策諮問機関「米中経済・安保調査委員会」は、米政府が衛星破壊実験を確認した翌日の十九日、緊急の報告書を公表した。

 報告書は八十ページにわたり、「多くのウオッチャーは中国を平和国家であり、衛星攻撃兵器に関心をもたないと誤って主張してきた」としたうえで、「米国の衛星が攻撃された場合、米軍だけでなく米経済にも破滅的な影響が及ぶ」と深刻な懸念を表明している。

 中国研究機関、財団法人霞山会(かざんかい)の阿部純一主席研究員は、この報告書があまりにも早いタイミングで出てきたことに注目する。

 「八十ページの報告書が一日でできるはずはなく、米国はかなり前から、中国の衛星攻撃能力に警戒感を持っていたことがうかがえる」

 米国防総省が出している「中国の軍事力」年次報告書では、すでに九〇年代から中国が衛星攻撃能力を持つ可能性について警鐘を鳴らし続けてきた。

 中国側から言えば、衛星破壊実験は五〇年代以来推進してきた核兵器とその関連兵器開発の延長線上にあると捉(とら)えられる。

 拓殖大学の茅原郁生教授(中国軍事)は、「中国には『宇宙を制するものが将来戦を制す』という考え方がある。宇宙空間を使った現代の情報戦では、たとえ相手よりも物理的な力で劣っていても、相手の宇宙能力の中枢を遮断してしまえば対抗することができる。ASATもそこに狙いがある」と分析する。

 中国が過去三回、同種の実験を失敗していたとする米CNNテレビの報道が正しいとすれば、すでに長期にわたって衛星攻撃能力を追求してきたことになる。

 この時期に実験を行った理由について茅原教授は「宇宙開発で突出する米国に対し、中国も宇宙大国を目指していることを誇示し、侮るなという姿勢を示すとともに、人民解放軍内部の士気高揚を狙ったのではないか」とみる。

 では衛星破壊の技術的なレベルとはどの程度のものか。軍事評論家の江畑謙介氏は「軌道上にある衛星を攻撃する技術は、弾道ミサイルを撃ち落とすMDほどではないが、それでも八百キロ先の衛星にミサイルを命中させたとすれば、相当な誘導能力を得たとみなければいけない」と解説する。

■非難した実験 中国自ら冒す

 中国の軍事ハイテク化の飛躍的な向上を示すこんなエピソードがある。

 昨年夏にイスラエル軍がレバノンに侵攻した際、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが、イスラエルの駆逐艦に中国製のC802対艦ミサイルで攻撃を加え、命中させた。この駆逐艦は存在を外部に漏らさないステルス機能をもつだけに、中国製ミサイルの命中は世界の軍事関係者を驚愕(きょうがく)させた。「中国は九〇年代以降、ロシアを中心に外国から軍事技術の導入に努めてきた。それが今になって実を結んでいる」と江畑氏は話す。

 衛星破壊実験を明確に禁じる国際的な枠組みは今のところない。中国も批准している宇宙条約は、自国の宇宙活動や実験が他国に「有害な干渉」を与える恐れがあるときは事前の協議を行うとしているが、違反しても制裁措置はない。ただ「中国はジュネーブ軍縮会議で、米国のMDを念頭に置いて、衛星攻撃能力を持つ宇宙物体の禁止条約を制定しようと主張してきた。しかし衛星破壊実験は自らが非難してきたことを自ら冒す行動であり、信義誠実の原則に反する」と慶応大学の青木節子教授(国際法・宇宙法)は批判する。

 ところで衛星を使えなくすることは、敵対勢力の軍事力をそぐ有効な方法だが、実は物理的に破壊する必要まではない。衛星の電子的な機能を喪失させればいいから、地上からレーザーを照射する方式もある。これならデブリが放出されない利点がある。中国は昨年、米国の衛星に向け、レーザーを当てた破壊実験を行ったとみられている。

■レーザー方式 米中とも実施

 米国は衛星破壊実験を八五年でやめたとされるが、デブリを出さないレーザー照射方式まで放棄したわけではなく、九七年に二回、空軍の実験衛星をレーザー照射によって破壊を試みたことが分かっている。

 米空軍が二〇〇四年にまとめた「対宇宙戦略」報告書では、戦争になった場合、民間の人工衛星や中立国の衛星でも「敵対勢力を利するものなら破壊する」とはっきりと記されている。

 米国はこれまで宇宙の軍事利用を制限する条約の制定には反対してきたが、それは自分に足かせをはめたくないというエゴからだった。ASATを抑制する枠組みをつくらなければ、「中国が口火を切る形で、宇宙戦争の時代に突入する」(江畑氏)というおぞましい現実を見ることになる。

 一方、青木教授はこの実験が、むしろ米国や国際社会の関心を宇宙の平和利用に向かわせることに期待をかける。

 「軍事衛星に深く依存する米国の兵器体系は、世界で最も衛星破壊攻撃に対して脆弱になってしまった。それが今回の実験であらためて意識された。米国が進むべき道は、自らが宇宙の覇権を握っているうちに軍備管理政策を推進し、宇宙兵器禁止条約をつくることだ。ブッシュ政権の力が弱まっている中、その方向に進む可能性はあると思う」

<デスクメモ> 十五世紀中ごろに始まる大航海時代。欧州列強は地球分割に血道を上げ、北米大陸に到達すると、今度は植民者たちが「早い者勝ち」の論理で土地の分捕り合戦を展開した。今は宇宙空間の占有競争だ。米国は新興勢力の台頭を許さないだろう。見上げてごらん、夜の星を。騎兵隊の雄たけびが聞こえるから。 (充)
URL|ゴンベイ #eBcs6aYE|2007/02/04(日) 18:00 [ 編集 ]
中国・衛星破壊実験の意味2
国家安全保障を考える(第41回)
中国の衛星破壊で米国は大ショック
[古森 義久]/SAFETY JAPAN [コラム]/日経BP社
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/i/41/index.html

U.S. official: Chinese test missile obliterates satellite - CNN.com (01.18.2007)
http://www.cnn.com/2007/TECH/space/01/18/china.missile/index.html

U.S., allies protest China's anti-satellite test - CNN.com (01.19.2007)
http://www.cnn.com/2007/WORLD/asiapcf/01/19/china.missile.ap/index.html

China claims peaceful missile test - CNN.com (01.23.2007)
http://www.cnn.com/2007/WORLD/asiapcf/01/23/china.missile.reut/index.html

Senator urges stance on China test - CNN.com (01.29.2007)
http://www.cnn.com/2007/WORLD/asiapcf/01/29/china.missile.ap/index.html
URL|ゴンベイ #eBcs6aYE|2007/02/04(日) 18:09 [ 編集 ]
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